なぜアメリカから銃がなくならないのか？

アメリカ人にとって、銃とはいったいなんなのか？



7月にコロラド州にある映画館で
12人が殺害されるという、銃乱射事件が発生。

続いて12月になってからも、
コネチカット州の小学校で児童20人、
大人6人が死亡するという、乱射事件が起きている。

これらだけでなく、アメリカでは
この間に他にも複数の銃乱射事件が発生している。

先のコロラド州の事件で、ブルームバーグ・ニューヨーク市長は、
このような問題が発生するのはアメリカだけだろう、
と、悲痛な声明を出している。

現状

アメリカではおよそ2億7000万丁の銃を、民間人が所有している。

人口一人当たりの銃保有数は、
2位のイエメンを大きく引き離して、ダントツのトップ。

当然、自衛や狩猟などのため、
合法的に所持している人もたくさんいるが、
殺人犯など、犯罪者が所有する銃も多数存在する。

2010年には殺人、事故、自殺など、
銃によって命を落とした人が3万人以上にも上るという。

ケネディ大統領やキング牧師の暗殺など、
アメリカの歴史にはたくさんの銃が絡んでいる。


銃の歴史

アメリカでは建国以前から銃が存在していて、
いくつかの州においては、初期の入植者たちは、
自衛のために武器の携帯が、義務付けられていた。

アメリカ合衆国建国までは、先住民とだけでなく、
英国軍と戦うためにも一般人が武器を所有していた。

こういった背景があり、アメリカ合衆国憲法には、
規律のある市民兵は、自由国家の安全に必要なので、
アメリカ国民が武器を保有・携帯する権利を侵すことはできないと明記されている。

2世紀もの間、放置されていたこの条項は、
2008、2010年に連邦最高裁が銃規制を違憲としたため、
州政府や自治体が、銃保有規制することを大きく阻んでいる。


全米ライフル協会（NRA）
約半数の州で、公共の場での
人目に触れる状態での銃の携帯が許可されており、
自衛の場合には、避難が可能であっても
武器を使い反撃して、殺害してもかまわないとしている。

政府がこのような法律を取り扱い、
その政府は全米ライフル協会（NRA）によって運営されている。

2010年の連邦議会下院の議員選挙では、
NRAに支持された80％の候補者が当選している。

さらにNRAは法廷において、
銃規制の法律をひっくり返すために積極的に動いている。

NRAは共和党とも協力関係にあり、
個人が政府へ干渉してくることがないよう、
連邦政府へ敵意を表す人間とさえも協力関係を保っている。

NRAの幹部においては、下院議員6人が銃殺された事件の直後も
「銃規制でより安全になるというのは嘘」と声明を出している。


総括

何も銃乱射事件が起こるのは、アメリカに限ったことではない。

でも、一般人が暴力事件に銃を使う場所として
まず思い浮かべる場所というのは、アメリカであるに違いない。

アメリカでは、銃に対する歴史的、文化的な愛着というのは、
とても根が深い。

アメリカには銃規制派は存在するが、銃撤廃派というのはほとんどいない。

今後も銃を使った犯罪が後を絶たないことだろう。

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タグ：アメリカ 銃

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